―――須永さんの現在の活動は?

2023年に、建築家Buttondesignの村上譲・菊田康平とともに不動産事業Archi Land Labを立ち上げました。創造系不動産で培った不動産売買仲介、不動産コンサルティングをベースに、建築家のプロジェクトをサポートする業務をしつつ、自社で不動産探しから建築設計まで一貫して行うことができるサービスを提供しています。

―――簡単な経歴を教えてください

高校から建築を学び、日本大学生産工学部の建築工学科を卒業しました。東京のKINO architects(建築家・木下昌大)で2年、設計監理業務に従事したあと、創造系不動産に入社しました。フルタイム社員としては、はじめてのメンバーだったと思います。

―――創造系での活動は?

主に不動産売買仲介業務を行っていました。建築家の方と様々なプロジェクトを担当させて頂きました。多かったのは家づくり、またそのための土地やマンション、中古戸建て探しです。他には、ローンコンサルティング業務や、特殊なものでは富山県朝日町の空き家バンク運営のお仕事を経験させて頂きました。

―――設計事務所では分からなかったことは?

お施主さん家族が描くビジョンや、抱えている課題を、数多く知ることができました。これは設計事務所時代には分からないことが多かったと思います。資金計画やライフプランを念入りに考えることで、新築が良いのか、リノベが良いのかを、建築家と一緒に計画しました。また相続を視野に入れた建て替え計画を建築家と策定したことは、独立後に大いに役立っています。

―――建築と不動産のあいだの問題とは?

使われている言語体系が異なるほど、業界の文化や人材特性が違います。すると仕事の価値観もまた異なる者どうしが反発し、時にはぶつかり合っています。そうではなく、それぞれの業界の接点が増える、と考えられるはずです。そして互いの理解が進めばいいなと日々思っています。2つの業界が同じ目的を共有できないと、お施主さんに悪い影響が及ぶことが、一番の問題だと思います。

―――創造系に入るメリットは

不動産の考え方や営業だけでなく、仕事人としての在り方を学ぶことができます。また自分のチームを持たせてもらって、経営や戦略などの考え方などを、多面的に学べます。不動産のスペシャリストになれる以上の能力が付けられることが、創造系に入るメリットです。僕は居心地がよくて7年在籍していましたが、お施主さんや建築家からダイレクトに感謝の言葉を頂けること、完成した建築作品を見に行くことができることが、僕にとって何よりも嬉しい報酬でした。

 

 

#Archi Land Lab  #不動産コンサルティング