— — — 佐竹さんの現在の活動は?

 

2021年に株式会社アラウンドアーキテクチャーを起業して、代表をしています。具体的には、創造系不動産で培った不動産の売買仲介やコンサルティングをベースにして、業務を「建築の周り」としてもう少し拡大解釈して、建築家のプロジェクトを支える事に加えて、一般の方にもっと建築や建築家の面白さを広げる活動をしています。

 

— — — 簡単な経歴を教えてください

 

東京理科大学で大学院まで建築設計を学び、平田晃久事務所で1年間働いた後、住宅系設計の会社に入り、注文住宅を設計したり、ベトナムのヴォ・チョン・ギア・アーキテクツに一時期行ったり、広くいろんな業態を学びました。その後、創造系不動産に入社しました。

 

— — — 創造系不動産にいた頃はどんな仕事を?

 

メインは「不動産売買仲介業務」でした。建築家の方々と協働したプロジェクトを数多くやらせていただきました。その中で印象に残っているのは、「建築家住宅手帖」という不動産サイトを、新規事業として立ち上げから任せていただいたことです。現在これは、創造系不動産とアラウンドアーキテクチャーで協働運営しています。

 

— — — 創造系不動産で得られたことは?

 

建築家とのつながりが多くできたことです。建築家の方々と協働するということを、創造系不動産に入る前はあまり想像できませんでした。しかし思っていたよりニーズがあり、タッグを組んでやるべき仕事が世の中に多くあることを理解してからは、建築家の方々のつながりが驚くほど増えました。

また、経営的な考え方が身についたことが大きいと思います。チームリーダーやマネージャーを任せていただきました。創造系では会社の経営方針にも、自分の意見を自由に言える空気があります。ビジネススクールに通わさせていただいたり、新規ビジネスの担当をさせていただいたことで、「自分でビジネスをつくっていく」という感覚が持てるようになったことが大きいと思います。

 

— — — 建築と不動産のあいだの問題とは?

 

それぞれの専門家が、同じゴールを目指せていないことだと思います。家づくりの場合では、土地を売った後にいなくなってしまう不動産屋さんと、そこから引き継ぐ建築家が同じゴールを目指せない、とするとプロジェクトが上手くいかないことが一番大きな問題だと創造系不動産にいたときから感じていました。独立した現在でも、その課題解決に取り組んでいます。

 

— — — 創造系不動産に入るメリットは?

 

建築設計のまわりの業界を理解しないと、建築が作れなくなる時代が最終的に来るのではないか、と思っています。例えば、不動産、お金、経営を理解しないと、建物自体が実現できないという風に。創造系不動産では、本人次第でそれらが学べます。また自分が創りたいものを創る力が得られると思います。