―――後藤さんから見て、創造系不動産の髙橋寿太郎さんは、どういう経営者だと思いますか?

(後藤)

長年インターネットで活動していたからかもしれないですが、ビジネスの側面に関しては僕はすごく感覚的なんです。自分で仮説を立ててトライして、ダメだったらちょっと直すというサイクルで考えてきた人間です。

一方で高橋さんは、経営大学院を卒業して体系的に学ばれているので、僕の言うことを理論として裏付けていってくれる存在です。高橋さんと話していると、僕が言っていることを、経営理論に当てはめて逆に解説してくれたこともあります。ありがたい存在です。

 

(高橋)

そう言って頂けると恐縮です。言うまでもなく後藤さんはすごい経営者です。優れた経営者は自然と持っている共通点があります。「ご自身は感覚的」と仰いましたが、複雑な状況を、単純な形に還元して実践している点がそうです。例えば、お客様に価値提供をして、貢献して、感謝されて、売上になる、そしてそれをさらに顧客に還元する。耳障りがいいように聞こえますが、これができる人は非常にうまくいくでしょうし、どこかうまくいかない方はこのループが違っていることが多いです。後藤さんはそれ長年かけて積み重ねているという意味で、非常に信頼されています。

 

(後藤)

僕がアーキテクチャーフォトで行っていることは、寿太郎さんがやっていることと、近しい所があると思います。立場は違いますが、建築設計業界で設計者の方々との関わり方が似ているという感覚があります。だからお話していても、勝手に意気投合してしまいます。

 

(高橋)

普通だったら建築界に、後藤さんのような方は生まれなかったはずです。アーキテクチャフォトは突然変異として生まれたと思います。創業最初は苦労されたと聞いていますが、中盤から最近に至るまで、なかなか真似できない仕事ぶりです。つまり模倣困難性が高いんですよね。実は私は、そのような突然変異種が好きなんです。

 

※2021年6月「建築と経営のあいだ研究所」のインタビューより一部抜粋と加筆修正。聞き手/プログラムファシリテーター・シブヤタカアキ氏

※後藤連平氏経歴 https://www.aidaken.com/author/renpeigoto/ 「建築と経営のあいだ研究所」サイトより

※後藤連平氏が主宰する「アーキテクチャーフォト」Webサイト https://architecturephoto.net/