江東区の葛西橋通り沿いのマンション改修プロジェクトです。

「検討のスピード」は家づくりの大切なポイントです。
本プロジェクトでは限られたエリアで物件探しを行ったため、なおのこと重要でした。
流通している物件数が少なく他の購入希望者と競走になる可能性が高いので、ゆっくりと検討できないからです。

暮らしのイメージはどうか、物件価格はファイナンシャルプランに整合しているか、購入に際する諸費用はいくらか、支払はいつ頃か、住宅ローンはどの銀行が最適か、保険の見直しは必要か、管理状況はどうか、修繕積立金の額は適当か…
こうした検討事項の多さが、不動産の購入を難しくしています。

ですが、不動産探しの際に建築のイメージができると大きく状況は変わります。
既存の空間のどこをどう変えていけるのかが明確になれば、そのほかの検討に集中できるからです。

既存部分には建て主の生活にあわない箇所がでてきます。
これはマンション購入の場合さけられません。どこまでが変更できず、どこから改修できる部分かという建築設計の視点が、不動産フェーズにおける判断基準のひとつになります。

建て主・建築家・不動産コンサルタントのタッグが家づくりを成功させる鍵です。

実はこのプロジェクトでは建て主自身が一級建築士であり、改修のイメージを具体的に描くことのできる方でした。
そのため、よりスムーズに設計フェーズに進んでいきました。

建て主=建築家の手によってカウンターの高さ・部屋と部屋との仕切られ方などが見直され、不便さをなくすための改修がこまかく行われています。

リビングの長手方向には、3枚の水平面と木のかたまりが浮かんでいます。

高さの異なる水平面はテレビ台やローカウンターなどの役割を担い、木のかたまりは一連の収納スペースになっています。機能・収納量を確保しつつ空間の特徴的な要素となっています。

  • 住所:東京都江東区
  • 構造規模:鉄骨鉄筋コンクリート造 地上11階建
  • 不動産コンサルティング:創造系不動産 本山哲也