神奈川県横浜市、大倉山。閑静な住宅街に建つ築30年ほどのマンションの一室を、礒建築設計事務所・礒健介さんがリノベーションしたプロジェクトです。

建て主は当初、新築戸建てを希望されていました。しかし、建て主と礒さん、創造系不動産が一緒に不動産を巡る中で、自分たちの求める暮らし方が、マンションでも手に入ることに気づきました。

最終的に選ばれたのは、広々としたバルコニーと良好な眺望を持つマンションの角住戸。周囲には戸建て住宅や街路樹の緑が広がり、空の広さを感じられる環境が魅力でした。また、第一種中高層住居専用地域に位置し、周辺の土地利用や建物の規模に一定の制限があることも、将来の住環境を考えるうえでの判断材料となりました。

住まい選びでは、建築的な魅力だけでなく、購入費用とリノベーション費用のバランス、月々の返済負担や将来のライフステージに応じた支出も重要になります。創造系不動産では、物件購入からリノベーションまでの総予算を見据え、長期的な資金計画も含めて検討を進めました。建て主が実現したい暮らしを建築家と共有しながら、不動産としての条件や資金面を整理することで、無理のない住まいの選択につなげていきました。

こうして選ばれた住戸は、角部屋でありながら、既存の間取りではその魅力が十分に生かされていませんでした。機能ごとに細かく区切られた空間は、光や風、視線の広がりが乏しく、やや閉鎖的な印象でした。

 

礒さんは、既存の個室配置を生かしながら、住まいの中心となるLDKと各部屋のつながりを再構成。光や風、視線が通り抜けることで、角住戸ならではの開放感と奥行きを感じられる空間へと生まれ変わらせました。

内装にはタイルやポーターズペイントを用い、柔らかなベージュを基調に、光によって表情を変える穏やかな空間をつくっています。建て主とともに選んだオークの突板やアンティークのカウンター、黄色いカーペットがアクセントとなり、素材の質感や手仕事の温かみが暮らしに彩りを添えています。

均質になりがちなマンションの住戸に、素材の表情と空間の余白を与えることで、日々の暮らしとともに深みを増していく住まいが実現しました。

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  • 住所: 神奈川県横浜市
  • 延床面積:77㎡
  • 構造規模:RC構造
  • 設計・監理:礒建築設計事務所 礒 健介
  • 施工:NENGO
  • 不動産コンサルティング: 創造系不動産 井上遼介