建築家・杉浦充さんの設計による新築戸建住宅計画が進行しています。

南側接道の土地が人気な理由

住宅用の土地を探すとき、「南側に道路がある土地がいい」と考える方は少なくありません。南からの日当たりが確保しやすいというのが主な理由で、不動産市場でも南側接道の整形地は人気が高く、北側接道の土地と比べて価格が高くなる傾向があります。
ただ一方で、南側接道であれば必ずしも有利かというと、一概にそうとも言えません。

斜線制限という要素

建物を建てる際には、高さに関するさまざまなルールが存在します。そのひとつが「斜線制限」です。これは、周辺の日照や空間への影響を抑えるために、道路や隣地との関係から建物の高さに上限を設ける規定です。

コンパクトな土地の場合、より一層、この斜線制限の影響をうけやすくなります。特に北側斜線、または高度斜線と呼ばれる、北側隣地に日照を確保するための斜線制限は、南側接道の土地では北側の隣接地から斜線がかかるため、建物が思ったより高さを取れないケースがあります。反対に北側接道の土地では、道路の反対側から斜線制限を受けるため、高さや容積を確保しやすいという面があります。

こうした判断は、建築の知識なく土地を見ただけでは、なかなか気づきにくいところです。

土地探しの段階から建築家に関わってもらう

今回のプロジェクトでは、土地探しの段階から設計を担当する建築家・杉浦充さんと情報を共有しながら進めました。候補となる土地に対し、不動産としての条件と、建築として成立するかどうかを並行して確認していきました。

具体的には、希望する建物のボリューム(大きさや高さ、もしくは床面積)が、その土地の法規制のなかで実現できるかどうかを事前に検討しています。これにより、「購入後に希望の間取りが入らないとわかった」という事態を避けることができます。

最終的に選んだのは北側接道の土地でした。一般的な不動産の評価軸だけで見ると優先順位が下がりがちな物件ですが、建築的な検討を重ねた結果、立体的に日照が確保でき、希望するボリュームを無理なく実現できる土地であることが確認できました。

土地と建築をセットで考えること

土地を買ってから設計者に相談するという流れは一般的ですが、そのぶん「買ってから制約に気づく」リスクもあります。創造系不動産では、建築家と連携しながら土地探しを進めることで、不動産と建築の両面から土地の適否を判断するプロセスを大切にしています。

「南向きかどうか」という一般的な評価基準だけでなく、実際に建てたい建物との相性で土地を選ぶ。今回のプロジェクトは、そのアプローチのひとつの事例です。

プロジェクト進行中

___

  • 住所:神奈川県大和市
  • 敷地面積:79.34㎡
  • 延床面積:未定
  • 構造規模:未定
  • 設計・監理:杉浦 充 | 充総合計画
  • 不動産コンサルティング:創造系不動産 川原聡史