建築家・tanadam中村泰斗さんによる東京都大田区中馬込で進行中の住宅プロジェクトです。
施主が家づくりを考え始めた背景には、仕事や生活の拠点へのアクセスを考え、利便性の高いエリアで暮らし続けたいという思いがありました。一方で、賃貸や一般的なマンションでは得られない、“自分たちの場所を持つこと”への関心も強く、住まいに対してより主体的に向き合いたいという考えがありました。しかし近年はマンション価格の高騰もあり、希望するエリアで住まいを持つには、予算とのバランスが大きなテーマとなっていました。
このプロジェクトの特徴は、建築家である施主自身が、建築と不動産の両側を行き来しながら計画を進めていった点にあります。土地を購入してから建物を考えるのではなく、「どのような暮らしを実現したいか」という視点から、土地と建物を一体で検討。限られた総予算の中で、土地予算と建物予算の配分を丁寧に整理しながら、計画が進められました。
選ばれた敷地は、第一種中高層住居専用地域に位置する住宅地。限られた敷地条件の中で、建築家である施主は、単純に面積の広さを求めるのではなく、「どのように空間を立体的に使うか」という視点から計画を組み立てていきました。
一般的には制約として捉えられやすい都市部の敷地条件に対しても、断面的な構成や視線の抜け、高さ方向のつながりを丁寧に設計することで、実際の面積以上の広がりや豊かさを生み出しています。フロアを縦に積み重ねるだけではなく、空間同士の関係性を考慮し、光や気配が緩やかにつながる空間が検討されます。
土地条件を受け入れるだけではなく、その制約を建築的な工夫によって価値へと転換していくこと。限られた予算や敷地条件の中でも、暮らしの質を最大化する提案ができる点は、建築家とともに住まいを考える大きな魅力の一つと言えるかもしれません。
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- 住所:東京都大田区中馬込
- 敷地面積:70.19㎡
- 設計・監理:tanadam 中村泰斗
- 不動産コンサルティング:創造系不動産 中村有希