建主の勤務地変更をきっかけに、新築戸建の計画が立ち上がり、土地探しが始まりました。ある日見つけたのは、古屋付きの売地でした。築37年の鉄筋コンクリート造の家屋が残っていましたが、建て替え前提で検討を進めました。
古屋付き売地は原則、買主の責任と負担で解体が行われます。特に鉄筋コンクリートの建物は解体費用が高く、資金計画を圧迫するリスクがあります。事前にわかる情報を精査し、リスクの大きさを明確にすることが重要です。
そこで、土地購入に先立ち、専門業者によるアスベスト調査を実施したところ、吹き付けタイルからアスベストが検出されました。これにより、解体費を正確に把握することができ、全体の資金計画を早期に整理することができました。
建築プロジェクトでは、初期段階から専門家と連携し、潜在的なリスクを可視化することが大切です。売買契約前の適切な調査により、不確定要素を減らし、安心して計画を進められました。
―――――以下建築家のテキストです―――――
アクティブで明るいご家族が、この地で家を建てるときにまず考えたのは、家族や友人達が集い、楽しめる場所にしたいということでした。
まず土地探しから始まった家づくりは、創造系不動産と共に私達も幾つかの候補地を見て回り、桜並木が綺麗な川沿いに近い敷地に決まり、設計がスタートしました。
BBQやキャンプ道具の手入れなどのできる大きな屋根のある外部空間と、ご夫婦のお風呂好きも相まってバスルームと露天風呂、祖父から引き継いだ盆栽の松を入れた植栽などがご要望の中心でした。
完成した家は、北側の玄関前の広い土間スペースには大きな庇が掛かり、二台の車の駐車スペースにもなっています。また、袋小路で人通りが少ないこともあって、家の中と繫がる活動的な外部空間ともなっています。
また縁側のある日当たりが良い南側の庭、そして盆栽の松が植えられた坪庭はダイニングやお風呂にきわめて近く、毎日の暮らしに自然が入り込んでいます。
その中庭には露天風呂もあり、大きく開く窓のある内風呂に入った人としゃべりながら入れる場所に置いてあるので、家族やお友達とお風呂に入りながら、ゆったりとバス・コミュニケーションが展開されます。
周囲と内部の3つの外部空間がリビングダイニングの2つの吹き抜けと絡み合って、内外の境界を曖昧にしつつもプライバシーを確保した家になっています。
ご夫婦、3人の子供さん、ご友人などが、ここでは皆が家の様々な場所で思い思いに過ごしながらも、中心にある盆栽の坪庭や露天風呂と言う特別なアイテムを感じ、オープンで、楽しく、自由な施主家族そのもののような空間を感じられる家になりました。
- 住所:埼玉県蓮田市
- 主要用途:住宅
- 構造規模:木造 2階建
- 敷地面積:199.97㎡(60.49坪)
- 建築面積:88.52㎡(26.77坪)
- 延床面積:139.65㎡(42.24坪)
- 設計監理:FEDL(ファーイースト・デザイン・ラボ)
- 担当 伊原孝則、服部優希、金沢明日香
- 構造設計:多田脩二構造設計事務所
- 施工:内田産業
- 造園:村田円芸
- 竣工写真クレジット:大倉英揮
- 不動産コンサルティング:創造系不動産 川原聡史