本プロジェクトは、建築コレクティブstudio9X が推進している、東京都内における新築住宅です。

住まいづくりを前提に土地を探していた買主にとって、今回の敷地で特徴的だったのは、その「隣地の状況」でした。

敷地の隣には、「特定生産緑地」に指定された農地が広がっています。

一般的に土地を検討する際、「隣地がどのように使われているか」は、重要な要素です。
しかし、それが将来どのように変化する可能性があるのかまで意識されることは、決して多くはありません。

特定生産緑地は、一定期間にわたり農地として保全されることが前提となる制度です。
そのため、少なくともここ数年のスパンにおいては、隣地の環境が大きく変わる可能性は低いと言えます。

一方で、その期間を過ぎた場合には、宅地化される可能性もあります。
つまり、しばらくは安定した緑地環境が続く一方で、
将来的には住宅地へと変化していく可能性も持ち合わせています。

このような敷地において重要になるのは、「今」だけでなく「これから」を含めて環境を読み取る視点です。

たとえば、現在の開けた眺望や日照条件は将来も維持されるのか。
仮に建物が建つとしたら、どの程度のボリュームが想定されるのか。
そのとき、どのような配置や開口計画が有効になるのか。

こうした前提を丁寧に整理したうえで、建築家とともに敷地のポテンシャルを検討していくことが、土地選びの精度を大きく左右します。

今回の事例においても、単に「隣が空いていて良い土地」という評価ではなく、特定生産緑地という制度的な背景を踏まえながら、将来的な変化も含めて敷地を捉えることが重要でした。

土地の条件を読むことは、同時に未来の環境を想像することでもあります。
数年後どうなっているかを含めて、将来の環境を想像し、その前提の上で建築を構想していくこと。
建築家が土地探しから参加することで動き出したプロジェクトです。

プロジェクト進行中・・・・・

  • 住所:東京都東村山市
  • 主要用途:住宅
  • 設計・監理:株式会社studio9X/野藤優、下平貴也、坂梨桃子
  • 不動産コンサルティング:創造系不動産/中川陸