リオタデザインの設計による、神奈川県小田原市の高台に立つ住宅です。

竣工は2021年で、計画がはじまったのは、ちょうどコロナが流行し始めた頃でした。
建て主ご夫婦はもともと都内での生活を楽しんでいましたが、コロナの流行をきっかけにライフスタイルの変化を見据え、都心への便が良い小田原へ移住する決断をされました。

そこで見つけたのが、小田原駅から徒歩圏内、緩やかな坂道を上り切った先にある高台の土地でした。
この土地を気に入った建て主ご夫婦は、リオタデザインの関本竜太さんへ設計の相談を持ちかけました。

現地を初めて訪れた関本さんは、土地のポテンシャルをこう捉えたと言います。
「日当たりと見晴らしがよく、建物を2層構成にすれば空が広く見えるし、坂の手前が駐車場で、建て方によっては開放感と抜けが得られる。すごく良い環境だと感じました」

一方、崖条例や敷地東側の既存擁壁など、検討すべき点もありました。
南側の崖については、高基礎を設けることで崖条例に対応した設計となることを、建築家が行政とやり取りしながら確認。
隣地へ越境した擁壁については、創造系不動産が隣地の所有者へ擁壁に残る老朽化したフェンスを撤去するなどして問題ないことを確認。
問題なく建てられる敷地条件であることを確かめ、建て主は土地の購入に至りました。

また、創造系不動産は、建て主ご家族のライフプランをもとに適切な資金計画をサポートしました。
その後、設計中にウッドショックが起こり、今につながる建設費の高騰が始まったため、建築家や建て主とともに再度資金の流れを整理しながら、2021年に竣工を迎えました。

このプロジェクトで初めて創造系不動産と協働した関本さんは、「不動産やファイナンスの専門家がプロジェクトを通して伴走してくれることは、設計者にとってもとても心強かったです」と振り返ります。

設計にあたり、建て主が希望したのは「人が集まる家」。

敷地への配置計画にあたってはL字型のプランを採用し、東側に広がる眺望の抜けを生かした吹き抜けの明るいダイニングを設けました。
その中心に据えられたキッチンと一体で使える大きなテーブルが、集まる人々の居場所となります。

ダイニングに面するウッドデッキのテラスには、小さな腰掛けベンチ。
マグカップ片手にちょっとコーヒーを飲む。そんな日常で使われるテラスになるよう考えられています。
木製の手すりは、着座すると外部から見えない高さに設定され、程よく守られた気持ちの良い庭が実現しています。

2階には、書斎スペース。視線の高さに細長い開口が設けられ、遠くの景色を眺めながら仕事をすることができます。

各所に設けられた開口や吹き抜けによって、どこにいても光と家族の気配を感じられる住宅です。

  • 住所:神奈川県小田原市
  • 主要用途:専用住宅
  • 敷地面積:193.37㎡
  • 建築面積:73.25㎡
  • 延床面積:104.73㎡
  • 構造規模:木造 地上2階建
  • 設計・監理:リオタデザイン 関本竜太
  • 不動産コンサルティング:創造系不動産 佐竹雄太(元メンバー) 安藤美香(元メンバー)
  • 竣工年月:2021年12月
  • 撮影/新澤一平
  • 記事編集協力/玉木裕希