今回見学した旗竿地は、南側に都有施設の道路が広がる、少し珍しい立地でした。旗竿地でありながら南面がしっかりと開けており、日差しが差し込み、風の通りも期待できます。明るく気持ちのいい住まいが実現できそうな敷地です。こうした条件がそろう旗竿地は、そう多くはありません。
建築家と一緒に現地を歩きながら、敷地の形状だけでなく、光の入り方、風の通り道、視線の抜け、周囲の建物との関係性などを丁寧に読み解いていきました。
また、敷地の前面にある建物は、将来的に建て替えの計画が進んでおり、その後の建物配置も公開されていました。
開発計画の情報を入手、建築家と共有し、建て替え後にはどのくらいの距離で隣接するのか、どこまで空が見えるのか、音や視線がどのように影響してくるのか。そうした将来の環境の変化まで含めて想定しながら、空間づくりの可能性を慎重に見極め共有をすることで、建主はこの土地を購入される決断に至りました。
このように、「その土地・家に直接関係がない」と思われがちなことでも、土地の持つ個性と周囲の環境を総合的に読み解くことで、その魅力を最大限に引き出す道筋が見えてきます。
この土地にたどり着くまでの間、他の土地を巡り検討を進める上で、「良い家づくり」の目的は同じでありながら、それぞれ役割の異なる三者のチームだからこそ生まれる会話も醍醐味の一つだった、と建主は振り返りました。
- 住所:東京都杉並区
- 敷地面積:86.09㎡
- 設計・監理:若原アトリエ 若原一貴
- 不動産コンサルティング:創造系不動産 中村有希・川原聡史