Lodsの幸地俊一さんによる神奈川県川崎市のマンションのリノベーションプロジェクトです。
クライアントは30代ご夫婦。ご夫婦はこれまで住んでいた地域を大変気に入っており、川崎市鷺沼エリアでの住宅購入を希望されていました。しかし、この地域では新築物件が少なかったため、将来的な再販可能性を考え、中古マンションが候補となりました。そうして出会ったのが築35年を超えるマンションの一室です。
中古マンションのリノベーションには、マンションごとに定められた管理規約が重要なポイントとなります。今回のマンションでは、下階への騒音や振動を防ぐ目的で、既存の床仕上げ材を別の素材に変更することが禁止されていました。そのため、畳やカーペットをフローリングにしたり、水まわりのような大きな間取り変更が難しい状況でした。
しかし、建築家が建築的な視点から管理規約を読み解くことで、より自由なリノベーションを実現しました。
管理規約で設置が義務付けられていた畳の部分は、従来の和室ではなく、オープンな「小上がり」として提案されました。これにより、気軽に寝転べるスペースが生まれ、来客時には客間としても利用できます。また、小上がりの下の空間は、大容量の収納としても有効活用されています。
さらに、床材の変更ができなかったリビングでは、建築家が家具としての機能を持つ窓台を提案しました。これにより、クライアントの強い希望がありながらもバルコニーの広さが十分ではないため実現が難しかった観葉植物を置くスペースを、確保することができました。
物件探しの段階から建築家が専門的な視点で管理規約を読み解くことで、クライアントの理想を叶えるリノベーションが実現しました。
以下、建築家のテキストです。
クライアントとの対話から浮かび上がった「ちょっと懐かしいミニマルな暮らし」という言葉を手がかりに、クライアントと一緒に担当の山岸さんともアイディアを出し合いながら、楽しくプロジェクトを進めていくことができました。
角部屋ならではの開放感を活かすため、水回りを窓際に移動して室内窓を設け、光が巡るワンルームのような空間を目指しました。今では、クライアント夫妻の愛着あるアイテムが心地よく調和しています。
- 住所:神奈川県川崎市宮前区
- 構造規模:鉄筋コンクリート造6階建ての5階部分
- 設計・監理:Lods/幸地俊一
- 施工: ディー・エス・アイ
- 不動産コンサルティング:創造系不動産/山岸亮太
- 記事編集:創造系不動産/飯山理帆