「建築と経営・不動産のあいだ~私たちの職能をアップデートする~」
全国から集まった280名もの女性建築士の熱気に包まれた「令和8年度 第35回 全国女性建築士連絡協議会」。
学びと刺激に満ちたこのイベントのA分科会に、創造系不動産の高橋寿太郎がコメンテーターとして登壇しました。

LINK→令和8年度 第35回 全国女性建築士連絡協議会(東京)
『令和8年度 第35回 全国女性建築士連絡協議会(東京) 未来へつなぐ「まち・ひと・建築」~対話から生まれるかたち~』
A分科会「建築と経営・不動産のあいだ~私たちの職能をアップデートする~」
司会者:松田 まり子(沖縄県建築士会)、吉田 幸恵(北海道建築士会)
コメンテーター:高橋 寿太郎(創造系不動産)
開催日:2026年7月20日(月・祝)
会場:日本建築学会建築会館ホール
主催:公益社団法人 日本建築士会連合会 女性委員会

建築と不動産の「あいだ」を追究する取り組み
高橋は、建築設計事務所を経て不動産業界へ転身し、15年前から「建築と不動産のあいだ」を追究してきました。現在は年間多数の建築家と協働し、資金計画や事業収支、土地取得、権利調整といった不動産・お金周りのサポートを行っています。
建築において「敷地条件」や「予算」などの与条件は非常に重要です。現代では、単に与えられた敷地に設計するだけでなく、建築家側が自ら敷地や事業のスタートラインを設定し、実現可能性を高めていく視点が求められています。

キャリアの変遷と「壁」の存在
高橋は、学生時代は近代建築の巨匠・広瀬鎌二氏の鉄骨住宅(SHシリーズ)の研究に没頭しました。広瀬氏は30〜40代で鉄骨住宅のイノベーションを起こしたものの、後に「鉄骨は住宅に向かない」と悟り、木造へと転換しました。この「時代や課題に応じて自らの職能や手法を大胆に変化させる姿勢」は、高橋のキャリア観に大きな影響を与えています。
その後、設計事務所で7年間実務を重ねた高橋は、資金や不動産知識の必要性を感じて不動産業界へ転職。そこで建築業界と不動産業界のあいだにある「思考・スピード・価値観の大きな壁」を痛感することになります。

これからの建築士に求められる職能
建築を取り巻く環境が激変するなか、建物を「つくる技術」に「つなぐ知恵(不動産・経営知識)」を掛け合わせることが不可欠です。与条件を受け入れる受動的な姿勢から脱却し、事業を成立させる領域まで職能をアップデートすることで、社会やクライアントに深く寄り添う存在となることが期待されています。

「特に女性に経営を学んでほしい」という強いメッセージとともに進められた本セッション。温かく素晴らしい進行で会場の一体感を創出してくださった司会の松田まり子さん、吉田幸恵さん、ありがとうございました。
文:創造系不動産 飯山理帆