リオタデザイン設計による、神奈川県鎌倉市に立つ住宅です。
創造系不動産は本プロジェクトにおいて、建築家と協働しながら土地探しや資金計画のサポートを行いました。
建て主ご夫婦は当初、都内で新築のための土地を探していました。いろいろな候補地を見に行くなかで、よりゆとりのある環境を求めて、鎌倉方面へ視野を広げるようになりました。
鎌倉の土地を複数見に行きつつも決め手に欠けるなか、建て主が出会ったのが広い土地が分筆され、売り出されていた区画です。
なかなか平らな土地を見つけるのが難しいエリアですが、鎌倉駅から徒歩圏内で、平らな土地という貴重な条件でした。
関本さんは、土地の印象についてこう話します。
「鎌倉駅から敷地までは、古い寺があったり、生垣があったり、鎌倉らしい雰囲気のある坂道です。その道をいくと一気に視界がひらけて、平らな土地が現れる。そのアプローチがすごく良いと感じました」
分筆された候補地のなかから、建築家のアドバイスをもとに建て主が選んだのは、北側にすでに隣家がたつ、道路に面した土地でした。
なぜその土地を勧めたのか、その理由を関本さんはこう話します。
「北側の隣家との間に木塀が立っていて、プライバシーや美観にも配慮されていることが一つです。もう一つは、採光方向となる南側に、隣の旗竿地へアプローチするための通路が通っていたことです。南側に幅2mの通路があることでそこには建物が建つことはなく、日照を確保しながら設計ができると考えました。。それから、鎌倉駅から細い道を歩いてきて、視界が開けると自分の家が見えてくる。そんな設計のストーリー性が感じられる好立地だとも感じました」
関本さんは、「都内から鎌倉への移住」をテーマに据え、そんな建て主にとっての「鎌倉感」とはどういうものだろう?と問いながら設計したと振り返ります。
南側に日当たりを確保しながら必要ボリュームを確保するため、L字型にプランニングし、木塀に囲まれた二つの中庭を設けました。
ダークトーンの外観が、周囲の風景になじみます。
坂道を登ってひらけた視界の先に、家が迎え入れてくれるようなたたずまいです。
中に入って現れるのは、中庭のある吹き抜けの開放的なリビングです。
木塀に囲まれた中庭は、プライバシーを守りながら外で過ごす時間を楽しめる場所となっています。
もう一つの中庭はダイニングからつながり、浴室からもその眺めを楽しむことができます。
2階へ上がると、大きな開口から遠くの竹藪が見えます。
関本さんはその意図をこう話します。
「ここに初めて来た時に印象に残った景色の一つだったので、竹藪とつなげたかったのです。この景色が見えることで、新しい分譲地に立つ住宅が、昔からある風景とつながる。そういうことを大事にしています。土地探しから建築家が一緒にできると、なぜその土地にしたのかという前提条件を共有しながら設計することができます。そうすると、自分ごとに置き換えながら設計することができるので、共感が生まれやすいように思います」
土地探しの段階から建築家と共に進めると、より環境を生かした、その建て主ならではの住まいがかたちになる。その可能性を示すプロジェクトです。
- 住所:神奈川県鎌倉市
- 主要用途:専用住宅
- 敷地面積:171.71㎡
- 建築面積:65.40㎡
- 延床面積:122.52㎡
- 構造規模:木造 地上2階建
- 設計・監理:リオタデザイン 関本竜太
- 不動産コンサルティング:創造系不動産 佐竹雄太(元メンバー) 安藤美香(元メンバー)
- 竣工年月:2022年5月
- 撮影/新澤一平
- 記事編集協力/玉木裕希