なかおデザイン室の設計監理による木造新築住宅です。

建て主ご家族のライフステージの変化にともない、「終の住処」としての住まいを千葉で建てることとなりました。

土地探しは、建主、建築家、不動産コンサルタントが、それぞれの視点で意見交換しながら候補地を巡り、気になる敷地はプランをつくったり、法規の確認を行ったりしていましたが、どこか決め手を欠く状況が半年ほど続きました。

そんな時、「郊外でも駅から近くて、のびのびとした場所」という、当初の建て主ご家族の要望に立ち戻って、建築家が探し出した土地が、千葉県印旛郡にある緑地公園に面した場所でした。

ひな壇状に造成された宅地の最前面に位置し、目の前には桜並木と豊かな緑が広がるゆったりとした環境。

この地域は建築家自身も暮らしている場所であったことから、建主がこの土地で暮らしていくことへの安心感にもつながっていきました。

 

ビジョンを実現するために不可欠となるのが、ファイナンス計画です。

土地決定後も、創造系不動産の大きな役割として、全体工事コストの整理、融資や支払のスケジュール管理を担い、プロジェクトをファイナンス面から支えました。 

工事発注はコストバランスを踏まえ一部分離発注方式を採用しました。

工務店による一括請負ではなく、施主が家具や外構などの専門業者と個別に契約して進める方式です。

コストを抑えやすい反面、融資面では対応できる銀行が限られるため、融資段階で分離発注に対応可能な銀行を調査・選定しました。 

融資契約後も銀行とのコミュニケーションを適切に取りながら、サポートを継続し、建築家と不動産コンサルタントが連携し、コストと質のバランスを両立した家づくりが実現しました。

 

土地探しから竣工まで、3者でこまめに状況の共有を行いながら進められたことで、工程は予定通りに進捗し、要望いただいた2025年3月に無事にお引渡しを迎えることができました。

以下、建築家によるテキストです。

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桜並木と電車の風景が美しい緑地公園に隣接する住まい。

公園から連続する「前庭」と、家族のための「中庭」。

各庭に面して心地のよい居場所を散りばめながら、それらを包み込むように深い庇をかけた平屋のような佇まいの住宅です。

公園や雛壇造成など、既存の敷地環境を活かしながら、この場所ならではの新しい住まいのあり方を目指しました。

(中尾雄介/なかおデザイン室)

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  • 住所:千葉県印旛郡酒々井町
  • 主要用途:専用住宅
  • 敷地面積:193.60㎡
  • 建築面積:71.17㎡
  • 延床面積:85.81㎡
  • 構造規模:木造 地上2階建て
  • 設計・監理:なかおデザイン室
  • 構造設計:ハシゴアーキテクツ
  • 施工:工藤工務店
  • 造園:季織苑
  • 写真:smartrunning 小泉一斉
  • 不動産コンサルティング:創造系不動産 井上遼介
  • 竣工年月:2025年4月
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  • 記事編集協力/玉木裕希