CASE STUDY62鶴川の連窓住宅

デザインライフ設計室 青木律典さん設計による、70㎡の新築住宅です。神奈川県川崎市の86㎡の西向きの土地に建築されました。

クライアントには、夫婦二人で暮らす小さな家を建てたいという希望がありました。
夫婦二人で住むということに適した土地が必要になります。
大きさや価格、ライフスタイルを考慮しつつ、そこでどんな住宅を建てる事ができるか、どんな暮らしができるか、都度、検討が必要です。
クライアントと建築家は様々なエリアと候補地をひとつひとつ検証していきました。

見つけた土地は、背面に崖地がありますが、前面道路を挟んで向かい側に緑が望める場所でした。
北側と南側両隣の土地は最大限の面積と高さで建築された住宅に挟まれ、敷地には影が落ちています。更に1mの外壁後退距離の規制が掛かっています。
家づくりをするには工夫が必要な土地でしたが、クライアントにとっては条件にあったちょうど良い場所でした。

青木さんはこの土地を初めて見た時から、背後の崖や周辺環境を読み込み、明かりの取入れ方について考えていました。

2階の南面と北面に連続した窓が設けられました。
この連続した窓が、1階の奥まで優しい明かりを導いています。

敷地の周辺環境や規制などの条件の他、資金計画や暮らしのイメージを、土地探しの段階から青木さんとクライアントが対話を重ねた事で、与条件の整理が行われました。
そのおかげで、立地、面積、価格ともにちょうど良い暮らしができると判断できたのだと思います。

以下、青木律典さんのテキストです。
「この計画は小さくて良いので夫婦二人で暮らす家を建てたいというクライアントと一緒に土地を探すことからはじまりました。敷地は崖地の一番底辺に位置しているため背後に崖を背負い、周辺は様々な大きさの住宅が崖地に張りつくように建ち並んでいます。正面は道路越しに緑が見える環境にあるものの車や人通りが多く無防備に開放することには抵抗があり、外部との距離の取り方に注意を払いました。また、多忙なクライアントからは夜ゆっくりとくつろげる住まいにしたいという要望があり、これに応えるために落ち着きのある空間と開放的な空間の対比が感じられる住まいにしようと考えました。崖の底辺に位置しているという状況と重ね合わせて敷地の一番奥に寝室を設け、寝室のある1階は極力窓をなくし、床・壁・天井をラワン材で仕上げることで谷の底にいるような落ち着いた雰囲気の空間としました。同じようにワラン材でつくられた階段室を抜けると柱のないワンルーム空間に南面の高窓から光が降り注ぐ開放的な2階が出現します。北側には建物の奥行方向に渡り、吹抜を設けることで南面からの光かりと北面に設けた連続窓の明かりを1階まで導くように工夫しています。小さな住宅だからこそ開放感が感じられるような設えをすることと合わせて住宅の内部にシークエンスをつくり出すことで外部から連続するような内部空間となり、この空間がどこまでも続いていくような奥行きを生み出すことを意図しました。」

住所:神奈川県川崎市
敷地面積:86.12㎡(26.05坪)
延床面積:69.97㎡(21.17坪)
構造規模:木造軸組工法 地上2階建て
設計・監理:デザインライフ設計室
構造設計:ハシゴタカ建築設計事務所 髙見沢孝志
施工会社:幹建設
写真:中村 晃
不動産コンサルティング:創造系不動産 須永則明
メディア掲載:アーキテクチャーフォト

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