CASE STUDY33国分寺の小さな住居

デザインライフ設計室 青木律典さん設計の国分寺市の新築住宅です。
クライアントは、住みたいエリアは決まっていましたが、中古戸建を購入してリノベーションをするか、新築にするかを悩まれていました。今回は、土地探しと中古戸建探しの両方を行い、中古戸建にするか、新築にするかを検討していきました。
どこに手を入れ、どこを転用するか、または、どのように建物を配置すると、住環境はどのように変わるか、それらにコストがいくら掛かるのか、現地を見ながら、建築家が不動産コンサルタントと共に、整理をしていきます。

いくつか物件を見ていく中で、このエリアの中古戸建は、リノベーションをするには適さない中古戸建が多いことがわかりました。
融資が通らないもの、屋根と基礎をやり替えなくてはならなく、費用対効果を見込めないようなもの、違法状態のもの、望む間取りにしにくいもの。必ずしも、中古戸建を購入し、リノベーションをする方が、コストが安くなるとは限りません。

価格と立地のバランスの良い、旗竿地を見つけました。
旗竿地ですが、囲まれている中に視線の抜けをつくれる隙間が多くあり、
土地を見に行った時に青木さんは、開放感を感じる土地のポテンシャルをすでに見抜いていたと思います。

デザインライフ設計室の青木さんのテキストです。
「周囲を住宅に囲まれた旗竿敷地にたつ小住宅です。道路から敷地の奥を見ると旗竿の竿の部分に設けた平屋の玄関ホールが顔をのぞかせています。玄関ホールの正面と奥にそれぞれ設けた引戸を開け放つと玄関ホールも含めて1本の道のように裏の庭まで視線が抜けます。玄関ホールは広めの土間空間とし、上部は2層分吹抜けた天井の高い気持ちの良い場所です。ここは画家である奥様のアトリエを兼ねているため、広く開放的に設えました。1階は個室と水廻りをコンパクトにまとめ、天井高も低めに抑えています。一方2階は屋根構造を現し、屋根の勾配に合わせた天井としました。建築基準法から導かれた屋根勾配は北から南に向かって登っていきます。屋根の一番高い位置に窓を設けることで南面から光が差し込み、北側の奥の方まで明るくなるように計画しました。
吹抜けのつながりによる大きな気積の一体的な空間でありながら、屋根の変化と空間の繋げ方の工夫により緩やかに分節された場が生まれることを目指しました。」

土地探しに費やす時間は、クライアントと建築家の家づくりの方法や価値観についての対話のための、貴重な時間です。その過程で、家づくりに対する考え方や、場所でさえ変わることはよくあります。それこそ、クライアントが求めていることかもしれません。

住所:東京都国分寺市
敷地面積:88.02㎡
床面積:71.12㎡
構造規模:木造軸組工法 地上2階建て
設計・監理:デザインライフ設計室 青木律典 平野博子
構造設計:ハシゴタカ建築設計事務所 高見澤孝志
施工:幹建設 内田善文 澁澤遼
写真:石田 篤
不動産コンサルティング:創造系不動産 須永則明

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