KHアーキテクツ 林謙太郎さん設計による、共働きの夫婦2人のための住宅です。
クライアントは住みたいエリアの候補地を、ひとつひとつ建築家と検証していきました。

見つけたのは、阿佐ヶ谷にある駅近の利便性の高い土地です。
ただ、木造住宅が密集する住宅街にあり、奥行が長く、隣家との距離が近いため、土地全体が少し暗い印象です。林さんは土地を見たときから、この場所で何ができるか、すでに考え始めていました。

細長い敷地形状でも、住宅全体へ光や風が行き渡るように、中庭を設け、コの字型にプランニングされています。

以下、KHアーキテクツのテキストです。
阿佐ヶ谷駅近くの住宅街に建つ木造3階建の住宅です。
共働きの夫婦2人の為の住宅で、共にゆったりと過ごせる空間が求められました。また3層に渡る空間全体を寒暖差のストレスなく使えるよう、高気密高断熱仕様が求められました。
これらのリクエストや細長い敷地形状を踏まえ、中央に「光庭=ライト・コート(Light Court)」を設け、その左右に居室を配することで、全体が緩やかにつながり光や風が行き渡る計画としました。また樹脂サッシや付加断熱材、全熱交換の換気システム等のエコ技術を採用し、HEAT20G2レベルの断熱性能を確保しました。更に耐火に配慮しつつ木の仕上げを各部に用い、暖かみのある住空間を目指しました。
一般的に、市街地に建つ都市住宅においては斜線制限や容積率、耐火等の法規制から面積や各部の寸法が制限され、各種エコ技術の導入が容易でない場合が多分にあります。この住宅では、ライトコートを活用してパッシブな建築計画とすることで設備のスペックに頼りすぎない、意匠と性能のバランスの取れたエコハウスとなることを目指しました。

総じて、エコハウスとしては軽め(Light)な仕様の住宅ですが、光庭(Light Court)を設けたことも踏まえ「阿佐ヶ谷ライト・エコ・ハウス/Asagaya Light Eco House」と名付けました。

  • 所在地:東京都杉並区
  • 主要用途:専用住宅
  • 延床面積:103㎡
  • 設計:KHアーキテクツ株式会社
  • 施工:株式会社 木心
  • 不動産コンサルタント:創造系不動産
  • 断熱グレード:HEAT20G2グレード
  • エコ仕様:高性能グラスウール+付加断熱材+気密材+
  • 高断熱アルミ樹脂サッシ、熱交換換気システム、
  • ガス潜熱回収型給湯器
  • 写真:黒住 直臣
  • 日本エコハウス大賞2018 奨励賞