建築家・工藤浩平さん設計による新築住宅のプロジェクトです。

不動産の売買に際して、売主と買主との間で結ぶ「契約書」のほかに「覚書」や「承諾書」と呼ばれる取り決めの書面を近隣の住民との間に結ぶことがあります。
みなさんは方南のこちらの土地を見て、どんな取り決めが必要だと思いますか?

実はこの土地には3つの覚書と1つの承諾書が取り交わされています。
1つめは隣地との境にある「境界塀に関する覚書」です。
2つめは前面私道の「通行掘削の覚書」です。
3つめは「隣地境界からの離隔距離に関する覚書」です。
4つめは「出入り口部分の協定に関する承諾書」です。

特に今回は3つ目の「隣地境界からの離隔距離に関する覚書」が重要になりました。
一般に、建物を建てる時、民法では隣地から500㎜には建ててはいけないことになっています。しかしこれでは、細長い土地の場合、十分な建築面積が取れなくなってしまうことがあります。そこで、隣地所有者の間で、建築可能な範囲を広げるために覚書を取り交わすのです。

建築家はさらに半地下なども駆使して、面積的にも空間的にも、建て主のより豊かな新居が完成しました。

  • 住所:東京都杉並区
  • 構造規模:鉄骨造陸屋根地下1階付2階建
  • 設計・監理:工藤浩平建築設計事務所
  • 不動産コンサルティング:創造系不動産 川原聡史・佐竹雄太