ケーススタディ

CASE STUDY 18明るく閉じた旗竿地の家

不動産の世界では「敷地延長」、建築の世界では「旗竿地」と呼ばれる、入り口部分が細長い土地を良く目にします。また不動産の世界には「手前・奥」と呼ばれる土地分筆の呼称があり、その「奥」に相当するのがこの土地です。

旗竿地における、建築と不動産のあいだ

旗竿地は一般的な土地単価は、手前に比べ奥は8割程度。奥まって暗く風通しが悪いから、というのがその理由でしょう。しかし建築家の試行錯誤を経て、そこに建てられる住宅空間の価値は、その通りではありません。

アプローチ

土地の状態で道路から現地を見ると、確かに奥まった居住空間になることが想起されます。しかし建築家の藤井将さんと一緒に奥に進み行くと、そこには違った雰囲気がありました。
斜め方向に開けた空間。都心にも関わらず豊かな隣地の木々の緑と鳥のさえずり。

室内空間の自然

藤井将さんがクライアントと打ち合わせを重ね、少しずつ形を変え完成した住宅には、コーナーやハイサイドの窓からの特徴的な光が溢れました。
改めて、窓は外部空間との因果関係を表現するものだと教えられます。

土地の錯覚

室内は明るいだけでなく、視線が抜け、緑を臨む快適さがあります。旗竿地のイメージから連想された窮屈さはどこにもありません。
やはり土地は多分に錯覚を含むのです。

明るく閉じる

隣地と直接視線が交差する場所には壁を、そうでなく視線が抜ける場所には窓を。建築家はいつも視線をデザインします。
またそうすることで、街に包まれているような静けさと安心感があります。
「明るく閉じた旗竿地の家」というタイトルには、おそらくそういう想いが込められていると思います。

住所:東京都渋谷区
床面積:84.97㎡
構造規模:木造2階建て
設計・監理:Fit建築設計事務所 藤井将
不動産コンサルティング:創造系不動産 高橋寿太郎
施工:新協建設工業株式会社
写真:鳥村鋼一

PAGETOP