ケーススタディ

CASE STUDY 07骨董通り原状回復

まずオーナーと建築家と不動産コンサルが見て回ったのは、周辺にある「すべての募集中の空室」です。私たちはガランとした空室を、十数件、黙々と、繰り返し、確認して回りました。都心の一等地にありながら、意外にも、それらは全くデザインされておらず、まさに「原状回復物件」の情報共有となりました。
コンセプトから生まれる論理的な建築やリノベーションがあれば、もっと空気感から生まれる雰囲気づくりもある。オーナーと建築家のコミュニケーションは、自然と、周辺の空虚な空間を内見する「オフィスを探すユーザー」の先に向かいました。
オーナーと建築家は、もちろん自分たちのセンスで、自分たちが気に入り、モチベーションが上がる材料を選択しました。それは不動産コンサル的に、間違えた方法では全くありません。そして完成した新しい部屋は、一瞬で、いままでより良い賃料で、新しい借り手に発見されました。
FIVESのデザインは、細かな気配りの集積のような仕事でした。何件も何件も、原状回復物件を見て回るのは、デザイナーにとっては物足りないリサーチだったかもしれません。しかしその後のオーナーとのコミュニケーションの質と成果に敬意を表し、あえて今回は「リノベーション」と表現しないほうが良いと思いました。

都心の賃貸オフィスのリノベーションです。
「リノベーション」に対し、日本の不動産賃貸業には元々「原状回復」という独特な用語があります。最低限の費用で貸せるようにもとに戻す、というような意味があり、これは不動産賃貸借の貸し手目線のルールであり、借り手のニーズに応えるものではありません。
しかし事業の目的、コスト、工期を多面的に考慮した時、どこに着地すべきか、という課題がありました。

住所: 東京都港区
延床面積: 65.00㎡
設計監理担当: FIVES 蔵楽友美
施工担当: 悠和 濱野明良
不動産コンサルティング: 創造系不動産 高橋寿太郎
写真: 加藤ショウ

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